ブランド連想

ブランド連想について

ブランド連想の重要性とその意味について

ここまで何度か触れてきましたが、ブランドとは物的なものではなく企業や消費者などそれぞれの心や頭の中に存在する心象です。ブランドは物理的に見えるものではないため、非常に理解されにくく、従業員一人ひとり、部門ごとに目指すべきブランド像も異なってくるのは一般的かも知れません。つまり、ブランディングにおいて部門間のブランドアイデンティティを一定に保つことは決して容易なことではないのです。

企業はブランディングを考える際、映像はA社、紙媒体はB社、ウェブはC社というようにそれぞれ別々に発注しているのだと思います。しかし、企業のブランドアイデンティティを理解していない各制作会社がバラバラな表現や一貫性のないプロモーションを行うことは巷には非常に多いわけです。

ブランドは心や頭の中に存在します。どんな形にせよ消費者から一旦認知されると徐々に感情移入が始まりますが、物理的に見ることができないために、共通化させることは本当に困難です。逆を言えば、モノとして見ることができないために、軽んじられるケースが非常に多いのではないでしょうか。担当者が上司を説得できなかったり、指示命令に振り回されたりするケースをよく目にします。ここではブランド連想というものを解説します。なぜブランディングに一貫性をもたせることが大切なのか、そして、どのように競争力をもたせることができるのかをお伝えします。

ブランド連想:持続的で一貫性をもたせることの重要性

ブランドというものは目に見えにくく、殆どの会社が正しく理解していません。弊社では、「ブランドとは、企業/商品/サービスが、購買者/非購買者に対して与える心象そのものです。ブランドは、購買者の感情移入を引き起こし、愛着心を育てる影響力を持つものです。」と定義づけています。どんな企業に対しても消費者はブランドイメージを持っています。

牛丼店においても、吉野家・すき家・松屋の3社には異なったキャラクターがあるのではないかと思います。あなたがそれぞれに企業イメージが異なるのは、社歴や店舗場所、味、サービスと金額、接客やこだわりなど各社それぞれ異なっているからです。企業の視点から言えば、会社としての考え方と行動に一貫性があるために、消費者の中に蓄積されたイメージが醸成されていくわけです。

なぜ持続的で一貫性が必要なのかは、勘のいい方はお気づきかと思います。ターゲットの頭や心のなかに醸成させていくためには、ちぐはぐな軸のないブランド戦略では企業と消費者の間にブランドの乖離が生まれてくるわけです。ブランディングはビジネスを成長させるための長期的な投資であり、持続的で一貫性をもたせることがどれだけ大事かということを共有したいと思います。

ブランド連想:スターバックスと聞いて

当社では、ブランド連想とは「ブランドを解釈した消費者が想起する連想のまとまり」と定義づけています。当たり前のことですが、スターバックスと言えば、コーヒーショップだという認識を多くの方が持っています。そのスターバックスという言葉だけでコーヒーショップというイメージに自然と結びつくわけです。このことがまさにブランド連想ということができます。人は五感によって心や頭がそれが何かということを認識し、それが積み重なって連想が醸成されていく。簡単に言えばそんなイメージですね。

ブランド連想とは、消費者の経験・体験に起因するものもあれば、屋外看板やテレビCMなどの広告物から認知することもあります。それがプラスな印象を与えているか、マイナスな印象を与えているか、またはそのインパクトや頻度によって連想の度合いは変わってきます。このブランド連想こそが、ブランドに対しての感情移入の源泉でもあり、長期的なファンを育てるためには欠かせません。

あなたがファンになっている商品やサービスはどのようなものがありますか?私は、行きつけの焼肉屋さんというものが決まっています。人によってはそれがディズニーランドという方もいれば、アップルストアという方もいらっしゃるでしょう。ディズニーファンの多くは、部屋にミッキーやドナルドダックのぬいぐるみ、文房具や食器などに囲まれていて、いつも連想を促されていますし、ファンであることに喜びを感じているのではないでしょうか。そうすればますますプラスの感情移入が引き起こされ、さらにファンとなっていきます。

強いブランドというものは、ブランドに触れた時に、まるでスイッチがはいったかのように何らかの連想が想起されます。その想起を興させることがブランディングの一つのゴールになります。そのようなブランド連想こそが、消費者をファンへと成長させ、競合他社との差別化に繋がり、事業を安定的に発展させていきます。この情報化社会において、プラスのブランド連想を積み上げ、ブランド価値を高めていくことこそ生き残ることができる企業の法則ではないでしょうか。

ブランド連想:ブランドイメージとブランド連想の相違点

今まで記事を沢山ご覧になっていただいた方は、ぼんやりと理解されているかと思いますが、ブランドイメージというものはそのブランドへの印象のことです。例えば、丸亀製麺といえば「打ち立てのうどんがおいしい」とか「うどんにしては高い」とか感じたことがあるのではないでしょうか。当然、人それぞれ違った印象がありますが、それらの印象を総じてブランドイメージといい、ブランドそのものに対するイメージを指します。

一方でブランド連想というものは、看板や広告など、あるブランドに触れることで、ブランドイメージ以上のことを含みます。引き続き丸亀製麺を例に上げると、釜玉うどん等の商品、大きな看板が目立つロードサイドの建物、うどん業界NO1、香川県とは関係ない、ビジネスマンが多いなど、消費者の体験から生じているものもあれば広告やSNSからの情報も多い。まさに連想されるもの全てです。

ブランド連想:ブランド連想のために一貫性が求められる理由

一貫性については、人に置き換えて考えると理解しやすいかも知れません。頭で考えていること、発言していること、そしてその行動が一貫している人を言行一致と言って人から信頼されます。しかし、何を考えているかわからず、言っていることと行っていることが全く違ったりすると、相手に対して不安を感じたり信頼が置けなくなることがあります。

会社、商品、サービスも同じで、会社は世の中を良くすることに励んでいても、現場の従業員さんの行動が社会的に間違っていたり、また、日産自動車のようにカルロス・ゴーン氏が会社を私物化していたりすると会社は信頼を即座に失うわけです。ブランド連想のための一貫性というものは、ロゴマークやパッケージなどのことだけを言っているのではありません。それらブランド要素はただの形や色や言葉でしかないからです。ここでの一貫性というものは、企業が考えていること、発言していること、行動していること全てに一本の軸があり、ぶれていないことです。

人の記憶というものは曖昧なものです。特に日本人はすぐに忘れてしまいます。どこかの国のようにデモが終わらないなんてことはありません。しかし、その一瞬の気の緩みが会社を危機的な状況にまで追い込んでしまいます。消費者においてブランド連想は、ついには感情までも巻き込んでしまい、同じ商品ならば他社に興味が移ってしまうという結果をもたらします。

ブランド連想のステップ

1、ブランド認知

まずはブランドの存在そのものを知ってもらうという活動が必要になります。AIDMAやAISASなどのマーケティング用語が使われることがありますが、まさにAttention(注意喚起)のステージになります。当然のことですが、人は知らないものに人は興味を持つことはありえません。まずは、消費者に認知してもらえるような活動が必須となります。当然ですが、この認知の量が多く、質が高ければ高いほど、次のステップに有利になることはいうまでもありません。

2、ブランド再生

認知後は、何度も何度も思い出させ、記憶にとどめてもらうというステージになります。狙ったターゲットが興味を持ち、何度もブランドを想起させることによってその再生が繰り返され、リマインドされるということになります。

3、ブランド連想の強さ

ターゲットにとって関係のある情報が数多くもたらされることによって、連想は強くなっていきます。ターゲットのお困り事や課題を解決できる情報が届けられ、また同時にメリットが感じられるような情報の提供が必要になります。その積み重ねが心に刺さります。

4、ブランド連想の好ましさ

好ましいブランドの連想がなされ、消費に対する連想だけではなく、使用した際の自己投影イメージにまで広がった状態です。そのためには、安心、憧れ、解決、自己実現などのイメージを消費者に持ってもらうための商品やサービスも強化しなければなりません。人は物理的な価値だけではなく、情報に価値を感じます。商品・サービスの価値を情報としてきちんとお伝えしなければなりません。

5、ブランド連想の独自性

なぜ顧客がそのブランドを購入しなければならないのかという確固たる理由が必要になります。他の商品サービスで同様なものが提供されるのであれば、あなたの商品を消費者が手にしなくても、他の代替商品でまかなえるということになります。そうなるとあなたの商売は継続が困難になります。あなたの会社からしかその商品が購入できないというものが、いかに重要であるか。この日本国内に置いて、その独自性というものを見つけることが困難であることは、重々承知しています。しかし、企業はその独自性を創造していかなければなりません。

ブランド連想のまとめ

「ブランド連想の定義とは、ブランドを解釈した消費者が想起する連想のまとまり」であると説明しました。ここまで読んでいただいた方はご理解いただけるのではないかと思います。ブランド連想には持続的に一貫性が必要です。それは、消費者の頭の中に継続的に醸成されていくブランドのイメージの集合体であることから、ブランドがブランドたるためには、意図した連想を消費者に持ってもらわなければなりません。

ブランド連想というものは、ブランドイメージと同様頭の中や心のなかに存在します。そして感情を巻き込んで好きになってもらうということがブランド連想の一つの目的になってきます。社内の軸が必要なことは間違いありません。その軸からプロモーションを行うということがブレのない一貫性を実現するのです。クリエイターが変わっていくたびに表現やメッセージが変わるということは多々あります。しかし、会社の軸がぶれないことをブランドマネージャーは意識していかなければなりません。

ブランド連想とは、ブランドイメージとは異なることもお話しました。またブランド連想のステップも参考にしていただき、どのプロモーションがどのステップかも意識していくことで、意思決定も大きく変わってきます。ブランドの一貫性を持たせるためには、軸が必要です。その軸はブランドマネージャーの独断というわけではなく、きちんとオリジナルのフレームワークとして構築していくことをおすすめしています。

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