ブランディングの24ステップ

ブランディングとその手順

当社では、「ブランドとは、企業/商品/サービスが、購買者/非購買者に対して与える心象そのものです。ブランドは、購買者の感情移入を引き起こし、愛着心を育てる影響力を持つものです。」と定義づけています。ブランディングはBRAND+INGであるため、こちらの定義を実現するための活動と表現することが出来ます。

つまり、「ブランディングとは、企業/商品/サービスに対して、購買者/非購買者が持っている心象を醸造させ、それらに感情移入を引き起こし、愛着心を高めてもらうための活動のことです。」ブランディングに必要な心構えとは、どれだけお客様目線になれるかどうかです。ブランディングとはお客様に購入してもらうためだけの活動では有りません。長期的に愛していただけるようにすることが何よりも大事です。

INDEX

ブランディングの種類について

ブランディングと言ってもいくつかの種類に分けることが出来ます。ここではその解説を行いたいと思います。

1、まず何をブランディングしますか?商品・サービスですか?それとも企業ですか?
2、そして誰にブランディングしますか?お客様ですか?それとも従業員ですか?
3、もう一度、誰にブランディングしますか?企業ですか?消費者ですか?

ブランディングの種類1:まず何をブランディングしますか?

社内でもよく間違いを起こしやすいのが、商品・サービスのブランディングか、または事業ブランドか、企業ブランドかの区別がつかない場合です。商品・サービスのブランディングの場合、また事業ブランドのターゲットといわれるものは消費者(顧客)となるのは当然です。

ところが、企業ブランドと言えば、従業員、株主、消費者、仕入先、銀行、行政などに対して行うブランディングになります。同じブランディングでも行う範囲やレベルは全く違うことがご理解いただけると思います。

ブランディングの種類2:そして誰にブランディングしますか?

ブランディングは外部向けと内部向けとに分けることが出来ます。外部向けというのは1でも紹介した商品・サービスの利用者や社外のステークホルダーが挙げられます。この外部向けをエクスターナルブランディングといいます。これは、プロモーション、CSR、IRもエクスターナルということが出来ますね。

では内部向けはどう言うかと言うとインターナルブランディングといいます。インターナルブランディングは、理念体系でもまとめられるかも知れませんが、理念や哲学、ミッション・ビジョンなどが挙げられます。

でも、従業員の行動や態度は思うほど変化しません。だからといって何もしなければインターナルブランディングで何も残すことはできません。企業はヒト・モノ・カネではなく、ヒト・ヒト・ヒトです。内部向けのブランディングが強ければ強いほど、組織やブランドが強固なものになってきます。

ブランディングの種類2:もう一度、誰にブランディングしますか?

ブランディングには企業向けと個人向けのブランディングが存在します。BtoB、BtoC等と言われるものですね。

BtoCのブランディングはよく耳にされるかも知れませんが、BtoBのブランディングも大変大事なことだといえます。BtoBといっても意思決定者はヒトですね。であれば、概ね軸はBtoCと変わりません。しかし、ステークホルダーとの関わりが強いのはBtoBです。

行政のお仕事をされている方などは、BtoBになりますね。行政の方にどのような印象を持ってもらい、指名してもらうかと考えると担当者の頭の中にどのようなインパクトとシェアを生み出すか考える事が大事です。

あなたのチームが「企業目線でどのように販売するか」という従来のマーケティング発想から「消費者視点でどのように感情移入してもらうか」という心構えになれた時にはじめてブランディングが実践できるのではないでしょうか。

ブランディングの24ステップ

あなたはブランディングと言われて明確な答えをお持ちでしょうか?ブランディングを行うためには、必要となるブランド構築・発展のためのステップがあります。

 

ブランディング24ステップ

1、ブランディングとは何かを学ぶ

ブランディングとは何かを問われて、明確な答えを持っている人はほとんどいません。ぼんやりとはわかるけれどはっきりと伝えることはできない。そんな方々が多いのではないでしょうか。ブランディングとは大変抽象的であるため、多くの方が色々と語り、様々な解釈が存在します。

例えば、あなたがブランドの管理者だとして、ブランディングのことを論理的に説明できなければ、組織はわからないまま、なんとなくぼんやりとブランディングを行ってしまうということに陥ってしまいます。そうなってしまうとブランディングの効果は更によくわからなくなり、途中で頓挫していつの間にかブランディングから自然と距離を作るようになってしまいます。

今回は、なるべく実務的な進め方でブランディングを紐解いていきたいと思います。

2、なぜブランディングが必要なのかをチームで学ぶ

行動経済成長時期は、物が不足し、消費は年々伸びていました。しかし、物が溢れ、情報が洪水のように溢れかえってしまうと、同じような商品やサービスが氾濫し、生活者は選択そのものができなくなってしまいます。

企業はそのような中においても、商品・サービスを販売しなければなりません。そうすると同じような商品・サービスを販売している他社が近隣にも存在し、インターネット上にも存在している現状と向き合わなければなりません。

企業はこのような時代の中、お客様の選択を手助けし、他社からあなたが選んでもらえるような戦略を考えていく必要があります。そここで必要となる考え方がブランディングです。

ブランディングには、識別性、差別性を醸成していくという機能があり、結果的に企業の商売を手助けしてくれるのです。そのため各意思決定者、ブランディングが各事業においてどのような競争戦略となるかをロジカルに社内で共有できるようにならなければなりません。

ブランディングの事始めは、まずブランディングの意思決定者が方向性を決めることが必要です。お客様にどんなイメージしていただきたいかを検討します。そして、現状のあなたの会社の立ち位置を見定めていくことが大切です。

3、ブランディングとマーケティングの違いを知る

よく質問を受けることは、ブランディングとマーケティングは何が違うのかということ。

多くの企業のマーケティングは、標的となるターゲットを決め、収益となる顧客を獲得すること、という企業目線のトラップに落ちてしまいます。

しかし、ブランディングというものは「生活者」「顧客」「消費者」の視点に立たなければなりません。あなたの会社ではぜひ「企業目線のマーケティング」だけではなく、「顧客目線のブランディング」を意識していただきたいと思います。

ブランディングが顧客視点にならなければならないのは、顧客の想起するイメージを企業が望んでいるイメージになるように働きかける活動であるためです。マーケティングは、そのブランディングの活動と伴走しながら収益へと結びつけるための活動だということができます。

加えて、ブランディングもマーケティングも大変重要です。一言で表すならば、ブランディングはファンを作る活動であり、マーケティングは市場を作る活動であり、表裏一体と言えます。

ブランディングとマーケティングの違い

4、企業を取り巻く外部環境を分析・理解する

企業のブランディングを左右するものは、外的環境分析と内的環境分析に分けられます。外的環境とは企業がどうしてもコントロールできない世の中の動向のことです。

マクロの環境をブランディングの前提とながら、あなたは企業活動を推進しなければなりません。しかし、一概に外部環境と言われても、どのようにリサーチすればいいかは不明瞭だと思います。そこで、私たちがよく利用するフレームワークとしてPEST分析というものがあります。

政治的、経済的、社会的、技術的という4つの視点で広く社会の動向をリサーチする手法です。様々な産業によってその分野でリサーチする具体的内容は異なりますが、現在あなたの会社が置かれている環境を知るための視点という意味では、大変参考になるものであると思います。

5、業界を取り巻く力学を学ぶ

PEST分析を行ったあとは、業界の力関係を学ぶ必要があります。

ブランディングは顧客から選ばれるための1つの手段であり、円滑に進み利益を生み出すマーケティングの仕組みも同時に考えていかなければなりません。そのためには、何がボトルネックになっていて、何が自社の克服すべき課題になっているか、そしてそれらをどう克服するかを検討します。

そこで必要となるのがファイブフォース分析になります。ファイブフォース分析はハーバード大学の経済学者、マイケル・ポーター博士によって提唱されている理論になります。業界に与える5つの競争要因から、その業界の魅力、つまり商売で利益を生み出しやすかどうかを分析するためのフレームワークになります。

あなたのブランディング活動が功を奏して、顧客のニーズに応えることができ、強いブランドに育ったとしても、何か他の力学が業界全体に影響しているとすれば、そのブランディング活動も長期的に継続できないかもしれません。

6、顧客の声に耳を傾ける

外部の分析を包括的に行ったあとは、目の前の顧客の声を聞いてみる。特にリブランディングが必要と感じるとき、例えば業績が下がってきている、新規の獲得ばかり考えなければならない状況になっているときなどは特に顧客の声を意識しましょう。

継続的な商売の根本には、ファンやリピート客が存在し、口コミで顧客が次の顧客を紹介してくれるというシンプルな原理原則があることを忘れてはなりません。

商品やサービスのプロダクトサイクルを考えると、どうしても衰退の時期が訪れることは免れません。しかし、ブランドの再構築を行うにあたり、企業の「現在地」を明確にしていくことは大変重要になります。そこで、重要なことは、お客様の声を集め、従業員の声を集めることではないでしょうか。

フィールドワークを行い、お客様が何に感動して、何に不満を抱えているか、そして、従業員がどんな考えを持って顧客と向き合っているかきちんと「現在地」を理解しましょう。

1つ有効な手段と言えるのは、RFM分析です。

顧客の最終購買日、購入頻度、購入金額を集計し、だれが優良顧客でファンになってくれているかを知るための手法です。

マーケティングを行う上で、最終購買日、購入頻度、購入金額を把握しておけば、限られた資源を有効に使って優良顧客を育てていくことが可能になります。また、数字や率で計測できるため、顧客の反応というものがリアルに把握理解できるようになってきます。

小さな店舗ではどうしてもここまでできないということもあるかもしれませんが、one to oneマーケティングという時代がすでに到来しているため、小さな会社こそ役に立つ分析手法だといえます

7、差別化の根本的考え方3Cを学ぶ

競合他社と顧客を学ぶ最初のステップは3Cではないでしょうか。3C分析はブランディングを行う上で、根本的なフレームワークになります。

ブランディングの基本は、顧客にとって自社の識別性を明らかにし、なおかつ競合他社との差別性を伝えていくことは切っても切り離せないものであり、ブランドの管理者にとっては必須のスキルになるからです。

3Cとは、Company、Competitor、Customerの頭文字から構成されており、自社と他社と顧客の商売の関係性を明らかにしていくものになります。ブランディング、マーケティングにとっては必要不可欠な取り組みになるため、ぜひ綿密に情報収集しましょう。

8、ブランドアイデンティティを確立させる

ブランドアイデンティティとは、自社のブランドを顧客にどう思ってほしいかを明確にしたもので、あなたの会社・商品らしさを表現すると同時に、競合他社との差別化をする役割を持っています。ブランド・アイデンティティの概念を提唱したデービッド・A・アーカー氏によると、

「ブランドアイデンティティとはブランド戦略を策定する際の長期ビジョンの核になるものであり、ブランドに一体性を与え、マーケティングミックスの方向性と内容を規定するものである」と定義されています。

つまり、ブランドアイデンティティとは、あなたの会社や商品が顧客や社会にどのように受け止めてもらいたいか、そして、どのようにコミュニケーションすればそう受け止めてもらえるかを検討するための根本的な軸になります。

ブランドアイデンティティの機能は、ブランドに相応しい行動かそうでないかの判断基準となり、また考え方や行動の統一感や一貫性を作ることができ、外部へのコミュニケーションにおいてもぶれなくなってきます。顧客にとってみれば選択を助ける機能になり、競合他社との間には差別化という恩恵をもたらすことができます。

ブランドアイデンティティは様々なブランド要素によって構築されます。一つ一つの規定を作ってこともブランドアイデンティティ構築の大事なステップです。

強いブランドを作るためのBI/ブランドアイデンティティとは

9、ブランドが提供する価値を設定する

提供価値は、ブランドバリューと言い換えることもでき、ブランドの核となる価値になります。

企業や商品が持つ価値というだけでなく、顧客が喜びやワクワク感などポジティブな感情になる価値のことです。ブランディングの前提である顧客視点というものに深く関連づいています。

ブランディングにおける提供価値とは自社だけが持っていて、他社にはない、顧客の期待を満たすことができる価値のことです。

価値には3つあります。機能的価値、情緒的価値、自己表現的価値です。これらを価値としてバランスよく提供することを心がけましょう。

10、ブランドパーソナリティについて検討する

皆さんは、渋谷、銀座、東京と聞いて、それぞれどんなイメージをお持ちになりますか?優れたブランドは、個性が際立っています。そして、これは大変重要なことです。

ブランドパーソナリティとは、そのブランドが持つ独自の人格のようなものです。タレントでもよく見るタレントほどキャラが立っていると表現されますね。同様に、ハーレーダビッドソン、ナイキ、ディズニー、スターバックス、コカコーラなど、その個性が際立っていることがよく分かると思います。

ニューヨークのブランディング会社とお話した際も、日本の会社はブランディングだけでなく、ブランドパーソナリティを高めるべきであると言われています。機能的価値が同等レベルになってきたこの時代、愛されるブランドになるためには、ブランドパーソナリティは必須の条件になります。

顧客の中に企業が理想とするブランドを想起させるためには、一貫した統一した活動を行っていく必要があります。そのブランドパーソナリティこそがあなたの会社や商品を他社と差別化させる手段となります。

11、ブランドの知覚品質を見直す

知覚品質とは、顧客が製品やサービスを、代替品と比べた際に知覚できる品質や優位性のことで、顧客が認識している品質のことです。ブランド・エクイティを構成する要素の1つと言われ、例えば車であれば、知覚品質はさまざまな視点で総合的に判断され、単に「品質が良い」というだけの知覚品質はありえません。

まずは顧客が頭の中で無意識にリストアップした競合ブランドと比較して、あなたの商品がその購買を動機付けるだけの優位性や識別性があるかどうか、そしてその強さやカテゴリーにおけるリーダーシップ(想起量の順位)などを調査します。

知覚品質は購買を決定づける要因であり、プレミアム価格の受容性をも高めます。事業収益への貢献度が高く、ブランドエクイティの中で最も重要な要素です。

製品の品質を高めるのは製品開発担当部門の仕事になりますが、知覚品質を高めるのはブランディング担当部門の仕事です。他社と品質の差別化ができなくなってきている業界であれば、ぜひ知覚品質を高める戦略を選択することをおすすめします。

12、ブランド連想を設定する

ブランド連想というのは少し難しく感じる方もいるかも知れません。平たく言えば、顧客がブランドについてどのように認識し、解釈し、想起しているか、と言うことができます。アップルと聞いてもりんごを思い浮かべるのではなく、パソコンやスマートフォンなどを販売している会社だと認識し、解釈しているわけです。その積み重ねでアップルストアの前を通りかかった時に、ますますアップルへの印象や感情が生まれてくるわけです。

その連続こそがブランディングにとって大切なことであり、強いブランドであればあるほど、ファンであればあるほどその感情が高まってきます。

顧客があなたのブランドに対して、何の連想も思い浮かぶことがなければ、当然のことながら、感情移入することはなく、価値を感じることもなく、商品を購入することもありません。つまり、ご指名を受けて選んでいただけることがないということ、それは集客のための販促活動の費用がかさんでしまい、利益を圧縮してしまうことを意味します。

もし販促費用が随分とかかっていると考えられるのであれば、あなたの会社や商品のブランドがどのようにブランド連想されているかを考えてみることも大事かもしれません。

13、ブランディングのためのツール「ブランド要素」とは

ブランド要素とは、ブランド連想を促すための最小単位です。アイデンティティを明確にして他社との差別化を目指すことを目的にしています。それはネーミング、ロゴマーク、シンボル、キャラクター、スローガン/キャッチコピー、ジングル、パッケージ、色、URL、匂いで構成されています。

企業が思い描くブランドアイデンティティを、人々がその要素と接点を持った際にブランドイメージを想起させるスイッチになりうるということができます。例えば、街にあるロゴマークを指さして、そのロゴマークをブランドという人もいるかも知れませんが、実はそうではなくそのロゴマークに刺激を受けて、脳の中でブランドイメージが想起されるわけです。

ブランド要素にはそのような機能があり、大変合理的にターゲット顧客にブランディングができるという効果が隠れているのです。つまり、ブランディングとはロゴマークを作ったりすることが本当のゴール・目的ではないことがご理解いただけると思います。

14、VI(ビジュアルアイデンティティ)を設定する

人間の知覚は、視覚87%、聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%という割合で情報を判断しているそうです。そのため、ブランディングは視覚へのアプローチが最も重要視され、デザイナーは様々な情報を元にクライアントの意図を表現しているわけです。

さらに言うと、視覚の認識順序は、まず色、大きさ、形、方向、位置、色、文字になります。ビジュアルアイデンティティは何もロゴマーク等だけではありません。例えばコカ・コーラであれば、あの瓶のフォルムはひと目でコカ・コーラであると判断できますし、googleの検索画面であるトップページはすぐにグーグルと認識できるわけです。

ビジュアルアイデンティティというものは日本企業が考えている以上に海外のブランディングを行っている企業は綿密に計算しており、VI規格書という形で全社的に統一させています。

15、ブランドロイヤリティの指標を設定する

「ブランドロイヤリティ=リピート率」ではありません。ブランドロイヤリティとは、顧客がどれだけあなたの商品やサービスに愛着を持っているかということになります。

ブランドロイヤリティが低ければ、つまり愛着が低ければ、簡単に同業他社へブランドスイッチをすることができてしまう。その結果、リピートによる収益が伸び悩み、業績を好循環にすることが難しくなってしまいます。

ここでは、ブランドロイヤリティがリピート率で表現されたり、ブランドロイヤリティが顧客満足度であるという誤った認識を持ってはいけないということをお伝えできればと思います。

平たく言えば、愛着=リピート率ではないし、愛着=顧客満足度でもないということになります。

16、STP戦略① 市場と消費者のセグメンテーションについて

STP戦略のSTPとは、S:セグメンテーション、T:ターゲティング、P:ポジショニングの頭文字を並べた名称です。多くの方が、ターゲットを決める、ペルソナを設定すると仰るケースがありますが、その実務が実は曖昧になっており、戦略に活かせていません。

セグメンテーションとは、マーケティングにおけるこれらの「攻め」の基盤になるものであり、このセグメンテーションを曖昧にすると結果的にターゲットを見失う事になってしまいます。そのためセグメンテーションとは、ブランディングを行う上で非常に大切な役割となっています。

セグメンテーションとは、年齢や男女を設定することではありません。地理的要素、人口動態的要素、心理的要素、行動的要素などによってセグメントしていくということになります。

17、STP戦略② ターゲティングでターゲットを設定する

STP戦略はS/T/Pの3つがすべてが密接に関連づいています。セグメンテーションで分類されたセグメントにおいて、ターゲティングとは「絞り込む」という作業を行います。

このターゲティングというものは、ブランディングにおいて最も重要な要素の1つになります。つまりターゲティングが間違っていると結果的にブランディングが機能しないという状況を生んでしまい、ニーズのない人にブランドの情報を届けるというまさに的はずれな結果となってしまいます。

ターゲットを絞るということは日本の企業はあまり上手ではありません。広く皆さんに使ってもらいたいという考えでは、どれだけ資源があっても足りないでしょう。そして、結果が生まれない、業績が上がらないという事態に陥ってしまいます。

ターゲットを絞る=ターゲティングであり、ターゲットの選び方のロジックが身につけば、商品ごとやブランドごと、部署ごとに効率性という恩恵をもたらすに違いありません。そして、ペルソナを設定することまでがターゲティングステージのやるべきことであることも加えておきます。

18、ペルソナの設定を行う

ペルソナということについても理解できていないまま使用するケースを良く見かけます。ブランディングにおいて、ペルソナというものは大変重要な役割を持っています。

STP戦略において、セグメンテーション、ターゲティングのあとにはペルソナの設定を行っておきたいと思います。ペルソナは、「30代の若夫婦」というものではなく、具体的にターゲット像を深めていく必要があります。

おそらく殆どの企業がペルソナを共通認識として共有はできていないだろうと思います。それほど曖昧なものであるため、ターゲットが不明瞭ということで、ブランディングが進んでいない状況を生んでしまいます。

ペルソナとはその曖昧さを極力無くすためのものであり、実存する人に例えたり、ストーリーを考えたり、ライフスタイルや価値観の設定を行って、どんどん個性を磨き上げていかなければなりません。それはつまり、理想の顧客像です。

STP戦略のセグメンテーションとターゲティングは、生活者を分類し、その分類の中からターゲットを選択するという、いわば企業側の都合で一方的に決める取り組みです。そのため、そのままポジショニングを行ってしまうと、一方通行のブランディングとなり、企業の都合のいい戦略となり、そこに顧客は存在していません。

ペルソナというものは、企業側がペルソナの立場や気持ちになって、あなた自身がブランドを客観的に見るための手段であり、ブランディングを成功させるための必須条件になります。

19、顧客インサイトを探る

ペルソナが設定できたら、そのペルソナの深くに潜んでいるインサイトの発掘に取り組んでいきましょう。

物があふれるこの時代で顧客の購買の動機は多種多様になっています。だからこそ、ブランディングを行う上で必要な取り組みは、まだ顕在化していないニーズを探し出すことです。つまり、市場を創造していくということです。

ブランディングでは、顧客本人ですら気づいていない深くに潜んでいるニーズを見つけ出し、購買動機となる新たな心のスイッチの発見を目指していかなければなりません。大切なことは、企業視点ではなく、またペルソナという顧客視点であること。なおかつ潜在意識レベルへのアプローチを検討しなければならないということです。

20、STP戦略③ ブランドのポジショニングを検討する

ポジショニングとは、競合他社との差別化というだけではありません。

ブランディングを行う上で最も大切なことは、顧客視点であるということは何度もお話しました。顧客視点のポジショニングがどのようなものかと言うと、どのようなブランドに育てることができれば、顧客にとって欠かせない存在になりうるか、ということである。

欠かせない存在であるということは、他の商品・サービスで代替できない価値を提供するということにほかなりません。ポジショニングとは、顧客の心理の中で起こっているポジショニングであることを理解しておけば、価格での差別化だけではない、独自の価値を見出すことができるはずです。

顧客にとって強いポジショニングであることが、企業にとっては愛されるブランドというゴールに繋がっているのです。

21、マーケティングミックスの策定に取り組む

マーケティングミックスと言えば、一般的に利用されるフレームワークが4Cです。今までその策定に取り組んできたという方も多いと思いますが、具体的に戦略に落とし込めなかったり、従業員と共有できていなかったり、「ただ整理しただけ」という方も多いのではないかと思います。

商品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略という大枠で考えたとしても、マーケティング担当者やブランディング担当者が検討したとしても、現場として商品開発部や物流センターが業務を行っているわけです。マーケティングミックスは、4P/4Cという視点から7P/7Cということにまで戦略をつなげていく必要があります。

22、ブランドエクスペリエンスを設計する

ブランドを実践的に顧客に経験を設計する、カスタマージャーニー/ブランド体験をご紹介します。ブランドというものは顧客の体験によってはじめて機能するものです。そのため、実際に顧客にブランドをどのように経験をしてもらうかを考え行動しなければなりません。

ここではカスタマージャーニー/ブランド体験することによって、顧客がブランドとどのような感情が関わっているかを検証します。

カスタマージャーニー/ブランド体験には様々なフレームワークもあり、最近では、ウェブサイトやスマホアプリ等においても、顧客にどのように体験させるかを設計することが増えてきました。

日々のブランディング活動においても顧客にどのような体験をさせることで購買という意思決定に至るか仮説と検証を繰り返していかなければなりません。

23、ブランディングの効果測定を行う

ブランディングにおいて、企業が取り組まなければならないことは、ブランディングを行っていく上で必要な効果測定ではないだろうか。

実は現段階において、ブランドを数値で効果測定している企業は大企業の一部に限られており、大量の広告予算投下と財務諸表の推移によって分析されているケースが存在しています。この項については、みなさんといずれディスカッションできればと考えています。

24、ブランドのマネジメントを行う

ブランディングにおいて、そのマネジメントというものは大変重要になってきます。常に変化する経営環境の中で、ブランドというものも絶えず変化する無形資産であるからです。

それは、顧客のブランド像というものも変化するでしょうし、ブランドの権利が脅かされることもあるかもしれません。そのため、企業においては、ブランドの枠組みや形といったものに対して規格を考えていくと同時に、適切に運用していかなければなりません。

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