ブランディングのオムニモスーク

VI/ビジュアルアイデンティティについて:ブランディングにおけるデザインの役割

一般的にデザイナーという職業についている方以外は、デザインをするということについては、なかなか縁が遠いことと思います。

デザインをするということが感性を大事にしていると思われていますが、感性だけではなくロジカルに考えるチカラも必要だということは外観・設計・関係でご理解いただけましたね。

ここでは、ブランディングにおけるデザインというものの意味と価値、つまり、役割についてお話できればと思います。

まず、1つ目は情動を刺激するということです。

情動を刺激し、感情を動かすことがデザインの「外観」という機能によってもたらされます。

VI/ビジュアルアイデンティティにおいて、ロゴを制作する際、デザイナーはその会社や商品のキャラクターをイメージします。

厳格なのか、遊び心があるのか、信頼性に重きを置いているのか、それらを解釈し、丸みを帯びたデザインにしたり、角ばらせてみたりします。

また配色についても同様です。赤色から受ける印象と紫色から受ける印象は異なります。

VI/ビジュアルアイデンティティがなぜ重要視されているかと言えば、認知心理学での初頭効果というものがあるからです。

初頭効果とは、最初に与えられた情報がその後の情報にも影響を及ぼすという現象であり、または効果のことです。

いわゆる一言で第一印象として記憶されているわけです。

ですので、VI/ビジュアルアイデンティティによって会社や商品のキャラクターが正しく伝わるか、予期しない伝わり方をするのか左右されるのです。

私自身はこれらの専門で行っていますので、VI/ビジュアルアイデンティティ一つ取ってみても会社の考え方や経営状況などを色々と想像したりします。

2つ目は、識別させるという効果があります。

コカコーラのロゴマークを思い浮かべてくださいといわれて、あの手書きのような筆記体を容易に思い出せるのではないでしょうか。

AをAと認識することは、動物にもともと備わっている能力です。

そのため、デザイナーはあえて人々に認識させるためにビジュアル的にアイデンティティを確立させようとしているのです。

そこで、ロゴマークだけではなく、チラシやPOP、ウェブサイト、パッケージ、ネーミング、封筒などに至るまで、統一感をもたせ世界観を作り上げようとしているのです。

VI/ビジュアルアイデンティティとは、このように分散してしまっている会社とそれ以外の人々との「関係」を「設計」していると言えるのです。

人々にその会社、その商品という認識させることを設計することで、人々の心や頭の中に印象が形成されていき、それがブランドとして成長していくのです。

素晴らしい経営をされ、「俺の」イタリアン、「俺の」フレンチなど多店舗展開している、「俺の」グループがありますが、デザイン的にはロゴタイプやロゴマークに対して、もう少し配慮すれば良かったと創業当初から思っていました。

よくあるフォント(ロゴタイプ)を使用していて、いいサービスを提供しているのに、安っぽい印象を受けてしまいます。(安いのと安っぽいのは違います)

あまりVI/ビジュアルアイデンティティには興味を持たれなかったのか、当時のデザイナーに膨大な見積もりが提出されたのかはわかりませんが、多店舗展開するとそのロゴタイプを使い続けるわけですから、安っぽい看板のまま広まってしまう印象を受けます。

しかし、数十店舗も運営するとロゴタイプを変えるだけでも、相当なコストが発生してしまいます。

「俺の」グループは立派な経営者が経営をされているので、創業時のプロモーションも非常に素晴らしかったです。

ですので、VI/ビジュルアイデンティティだけで会社が伸びるのではありませんが、最初の段階である程度アイデンティティを設計しておかないと、後になって変更するというのは大変な労力になるということです。

「俺の」グループはVI/ビジュアルアイデンティティにおいては、ネーミングやそれ以外のコンセプトが非常に卓越していたため、結果VI/ビジュアルアイデンティティはうまくいった稀な例と思います。

消費者から認識されているということが、もっとも重要な目的の一つであるからです。

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